次に目覚めると、ロウは暗い部屋の中に閉じ込められていた。部屋といっても床はなく、足の下は剥き出しの地面がそのまま押し固められているだけの状態だ。隅にはしばらく手入れもされていないのだろう、古い農具や壺などの家財が埃をかぶったまま放置されていて、天井にはいくつもクモの巣が張っているのが見えた。
なんだ、牢屋とか何とか言ってたくせに。こんなのただの倉庫じゃねえか。
心の中で悪態を吐きながら、ロウはまだ僅かに痛みの残る後頭部を摩った。そこには大きなこぶができていたが、これくらい親父のゲンコツに比べれば大したことはない。痛みが数日尾を引く分、向こうの方がたちが悪いというものだ。
「おい! 開けろ!」
内側から戸を叩いてみたが、反応はひとつもなかった。それも当然か。囚人に開けろと言われて扉を開ける奴がどこの世界に居る。
視線を上に向ければ、空間を四角く切り取ったような窓が1つだけ付いていた。枠にはご丁寧に鉄格子が嵌め込まれていて、ここだけに注目すれば、なるほど少しだけ牢っぽいような気もした。
深く息を吐きながら、ロウは壁にもたれて腰を下ろした。吐息の白さから外は相当冷えているようだが、それでも凍え死ななかったのは、この防寒着によるところが大きい気がする。指先は冷たかったが、手のひらは微かに温もっていた。これもこの手袋のおかげだ。リンウェルがどこかからか持ってきた、この手袋。
そこまで考えて、はっとした。そういえばリンウェルは。あいつは、無事なのか。
ロウが思い出す限り、気を失う寸前までは痛めつけられていなかったはずだが、その後はわからない。どんな扱いを受けたのかも、あるいはどこに連れて行かれたのかさえ見当がつかなかった。とはいえ自分がまだこうして生きているのだから、リンウェルもそうであると信じたいが……。
何せあの中年男はまったく腹の底が見えない。はじめはリンウェルと世間話をしていた時のように、ごく無害なふりをして見せたり、と思ったら先ほどのようにぞっとするような表情をして見せたりもした。一度はリンウェルに手を上げようともしたのだ。どこからどこまでが本気で、どれが本気でないのかわかったものではない。
それに、男が口にしたこともロウには理解しがたいものばかりだった。「結界」のこともそうだが、リンウェルの「正体」っていったい何のことだ。送った視線をリンウェルが逸らしたのを考えれば、何か自分の知らない事情があるようだ。
そういえば、あの男は俺のことも「正真正銘のダナ人」とか言ってたな。
まさかリンウェルはダナ人じゃないとでもいうのか? だからといって、レナ人であるようにも見えない。そもそもリンウェルは人一倍レナに恨みがあるようで、だったら同じ種族を憎むようなことなんて――。
いやいや、例外がいるじゃないか。ロウは心の中で首を振った。同じ種族同士、敵に回している最もわかりやすい例がすぐそばにあった。
だったら、リンウェルの「正体」っていったい何なんだ。
どちらにせよ、リンウェル本人に聞くのが手っ取り早い。ロウはそう判断した。無事を確かめるためにも、一刻も早くここを抜け出すのがいいだろう。
とはいえこの倉庫の壁はなかなかに分厚そうでもあった。元々は住居として使う予定だったのか、天井の梁や壁の板は見るからに立派で、建物自体はしっかりとしたつくりをしていた。土剥き出しの床を除いては。
拳でぶち破るにしても、手甲も身に着けていない今は文字通り骨が折れそうだ。
ここはひとつ腹を括るかと、ロウが拳を握り締めた時だった。
「フル!」
鉄格子の嵌った窓から、白いふわふわの塊がひょこっと顔を覗かせた。
「お前、フルルか!」
「フル! フル!」
フルルは白い翼を持ち上げると、何かを合図するように手前から奥へと伸ばしてみせた。もしかして、離れていろとでも言いたいのか。
ロウが窓から距離を取った途端、轟音が建物を揺らした。と思った次の瞬間、鉄格子がまるでただの板のように吹き飛んだ。
「……え?」
衝撃によって反対側の壁は大きな凹みを作る。と同時に鉄格子が床に落ちて、ガチャンと音を立てた。
ロウは唖然とした。いったい何が起きたんだ……?
「ちょっとやりすぎちゃった……?」
窓枠から顔を出したのはリンウェルだった。
「リンウェル!」
ロウは驚きながらもすぐさま駆け寄ると、リンウェルを窓の穴から引っ張り上げた。
見たところ、リンウェルは大きなケガなどはしていないようだった。あの時殴られたのはロウだけだったらしい。
よかった、とロウは思わず安堵したが、リンウェルは申し訳なさそうな表情で言った。
「ロウ、ごめん。私、もう1つ隠してたことがあるの」
そうして次に紡がれた言葉に、ロウは思わず目を見張った。
「私たち、本当は〈魔法使い〉なんだ。ダナの星霊術使いの末裔なの」
「魔法、使い……?」
ダナの星霊術? 末裔? それに、私たちって……。
「私もおじさんも、ここに暮らしてるほかのみんなも、ダナ人だけど星霊術が使えるの。ここは〈魔法使い〉の里。普通のダナ人の暮らす村じゃないの」
聞き慣れない言葉の応酬に、ロウの頭はとうとう回路が焼き切れる音がした。今にも煙が上がりそうなところを、リンウェルがひとつひとつ丁寧に説明してくれる。
曰く、〈魔法使い〉たちは古くからダナに住む星霊術使いなのだそうだ。ところがその強力な力ゆえに、同じダナ人たちから迫害されるようになってしまった。当時の人々は、力を持つ者をそれらしい理由で排除しようとしたらしい。
やがて〈魔法使い〉たちはほかの場所に移り住むようになった。ダナ人から逃れ、身を潜めて自分たちだけで集落を築き上げていった。
「それもレナの侵攻で大勢いなくなっちゃったけどね。その生き残りが私たちの祖先にあたるの」
〈魔法使い〉の祖先たちは、少数ながらも必死でその血を紡いできた。ダナ人だけでなく、今度はレナからも狙われる身となりながら、細々と、けれど確実に次の世代へと命を繋げてきたのだった。
「その証拠が私。というか、星霊術になるのかな」
リンウェルはそう言って、手のひらに小さな風を巻き起こしてみせた。力を込めた先にきらきらと輝く、どこかあたたかな光が集まっていくのがわかる。
リンウェルの目は、光っていなかった。これもまたダナ人でありながら星霊術が使える〈魔法使い〉の特徴なのだとリンウェルは言った。
「さっき窓を破ったのも、それだったんだな」
「うん。ごめんね、今まで黙ってて……」
リンウェルは視線を落としたが、いいや、とロウは首を振った。
「そんな今まで何百年も隠してきて、いきなり俺みたいなよそ者に話せって方がおかしいだろ。黙ってて当然だぜ」
むしろ、ロウの中では聞いてしまったことによる罪悪感の方が強まっていた。何せこの事実を知る者は、この世界にほとんどいないらしい。なんだか聞いてはいけない秘密を聞いてしまったようで、背中のあたりにうすら寒いものまで感じられた。
「それにしても、ダナで星霊術が使えるとはなあ」
ロウは改めてリンウェルを見つめながら、感心するように言った。その瞳を覗き込んでも、手のひらに触れてみても、やっぱり自分と何ら違いは見当たらない。血筋だと言われても、リンウェルにもロウにも同じダナの血が流れているわけで、そういう観点で言えばシオンの時よりもますます謎は深まるばかりだ。
同じダナ人なんだから、やっぱり訓練次第でなんとかなるんじゃねえか? でもこれまでの歴史上でそういう人物が現れなかったのは何故だろう。それがいわゆる「血筋」ってやつなのか?
首を傾げてはうんうん唸っているロウを見て、リンウェルは驚いたように目を丸くした。
「……気味悪がらないの?」
「は? なんでだよ」
「だ、だってダナ人なのに星霊術使うし。でも目は光らないし。言ってしまえば、ダナでもレナでもないんだよ」
星霊術を使えるダナ人はいないし、星霊術を使うのに目が光らないレナ人もいない。リンウェルの言いたいことは、そういうことらしい。
「バーカ。そんなの、どっちだっていいじゃねえか。俺は、レナ人なのにレナ人相手に武器を取ってる奴を知ってるぜ」
ついでに言えば、自分の素性も知らないままダナのために剣を振るっている男も知っている。
「ダナとかレナとか言う前に、お前はお前だろ。俺がお前に感謝してんのは、ダナ人だからってわけでも、魔法使いだからでもない。お前自身が俺を助けてくれたからだ」
たとえリンウェルの正体がレナ人でも、はたまたどこかの違う星から来た宇宙人だったとしても、そこには等しく感謝があったはずだ。多少驚き具合が変化したとしても、そこだけは変わらない。
「ましてや気味悪がるとか、そんなわけないだろ。それともなんだ、俺はそんなに薄情に見えんのか?」
ううん、とリンウェルは首を振った。そして小さく顔を背け、その細い指先で目尻を拭った。
「な、なんだよ。泣くなって」
「な、泣いてないよ! ただ、ちょっと安心しただけ」
そう言ってふにゃりと笑ったリンウェルの目元は、少しだけ赤くなっていた。
「それよりお前、ここが〈魔法使い〉の里だって言ったよな。お前って、ちょっと前にここに来たんじゃなかったのか?」
ロウが訊ねた途端、リンウェルの表情が翳った。
「あのおっさんも言ってたよな。お前を拾ってどうのこうのって。じゃあお前が前住んでた場所って……」
リンウェルは俯いたまま、首を横に振った。
「それってつまり……」
「なくなっちゃったの。レナに見つかって、襲われて……」
ロウは思わず絶句した。「悪い、俺……そこまで頭回らなくて」
「ううん。これも私が黙ってたことだから。黙ってたっていうより、正直まだあまり受け入れられてなくて」
元々リンウェルは、ここよりもっと雪深い場所の生まれなのだという。そこでリンウェルは〈魔法使い〉として家族や仲間に囲まれ、幸せな日々を送っていた。
そこに突然現れたのが、レナの星霊術使いだった。その女はたった一人で〈魔法使い〉の集落を破壊し尽くした。
「父さんと母さんがね、逃がしてくれたんだ。振り返らずに走って、生き延びてって。それでこのペンダントを受け取ったの」
真っ青な宝石に触れながら、か細い声でリンウェルは続けた。
「きっと、この石が私を守ってくれたんだろうね。それがまさか結界を強めてるなんて、夢にも思わなかったけど」
どうやら〈魔法使い〉が住む集落の周辺には、こういった結界が多く張り巡らされているらしい。その結界はズーグルを寄せ付けないのはもちろん、ある程度人間の目を欺くことも可能なようだった。
「私たちは星霊術が使えるけど、基本的に使っちゃいけないって言われてるんだ。それで迫害されてきたわけだからね。だから結界を張ったり、寄せ付けないようにしたりして身を守ってるの」
森の周辺にズーグルがいないのはそういうことかと合点がいった。だからリンウェルはあれだけ堂々としていられたのか。
「今ならわかるよ。おじさんたちが私に親切にしてくれてたのは、この石のためだったんだって。食材も着るものも、このやたらと大きな家もそう。全部全部、私を引き留めるための、この石を失わないためのご機嫌取りだったんだ」
「リンウェル……」
「でも、もうそれもおしまい。元々壊れかけてたとはいえ、ロウがとどめ刺しちゃったから」
うっとロウは言葉を詰まらせた。「そ、それは本当に悪かった」
「いいって。いずれ遅かれ早かれ、こうなってただろうし」
リンウェルはふっと笑うと、どこか遠くの方に視線を向けた。
「今頃おじさんたち、忙しくしてるだろうな。集落ごとどこかに移るって話もしてたしね。大慌てで準備してるんだと思う。人数はそれほどでもないけど、家族の引っ越しとはわけが違うから」
だからね、とリンウェルは言った。
「今のうち。ロウに早く逃げてもらおうと思って、私はここに来たの」
「……え?」
「今なら見張りもいないし、誰にも気付かれない。逆に気付かれちゃったら、何をされるかわからない」
リンウェルは肩から下げていた鞄を探ると、中から地図を取り出してロウの前に広げた。
「ここから森をまっすぐ行けば、大きな街に出るの。シスロディアでも一番大きい街だから、ロウの仲間がいるとしたらここの可能性が高いと思う」
腕は? と聞かれて、ロウは慌てて頷いた。「治った、と思う」
「じゃあきっと大丈夫。しばらくは結界のおかげでズーグルも出ないと思うし。暗いし道も悪いけど、なんとかなるんじゃないかな」
少しだけ食料も用意したから、とリンウェルは微笑んだ。地図も含めたその鞄を肩から外し、ロウへと預けてくる。
「お前は?」
ロウは咄嗟に訊ねた。
「ここに残るのか?」
リンウェルは僅かに視線を逸らした。
「勝手にあてにされて、石が壊れたら責めてきて……どう考えたって、一緒に居る義理なんかないだろ」
あの中年男の鋭い視線を思い出す。1年以上一緒に暮らしていて、よくもあんな冷えた目が出来たものだ。
周りの連中も同罪だ。誰一人としてあの男を止める者もいなければ、リンウェルを庇おうとする者もいなかった。同胞だのなんだの言っておいて、その中にリンウェルは含まれていたのだろうか。
石さえあればいい。そんなふうに思っていたんじゃないのか。
「なあリンウェル」
ロウは意を決すると、その肩にそっと触れた。
「俺と行かないか」
「え……」
リンウェルの目線が持ち上がる。
「こんなところに居なくたっていいだろ。もう結界は破れるんだ。お前がここで耐える必要はないだろ」
それに、と思う。きっとリンウェル自身も、外に出たがっている。
だからこそあの日、ロウと出会った時、リンウェルはあんな場所にひとりで居たんじゃないのか。ズーグルのいる結界の外に出てまで、辺りの様子を探りに来ていたんじゃないのか。
ロウが瞼の裏に見た光は、リンウェルが使う星霊術だった。己を顧みず命を助けてくれたのは、リンウェルの方が先だったのだ。
「カラグリアのことを知りたがったのも、外の世界に興味があったからだろ。自分の知らない話を聞いて、あんなに楽しそうにしてたじゃねえか」
それもこれも、外の世界への好奇心と羨望があったから。ロウの語る曖昧な内容にさえ笑顔をほころばせていたのは、その気持ちの強さゆえだった。
「だったら、俺と一緒に来ればいい。結界の外も自由に歩けるし、星霊術だって隠さなくていいんだ。そりゃあレナがいるのは癪かもしれないけど、少なくとも、お前をモノ扱いする奴はいない」
口の悪いシオンでさえ、ロウたちを奴隷扱いしたことは一度もなかった。仲間と呼ぶにはまだ程遠いかもしれないが、背中を預けられるくらいには信頼できる。
リンウェルの欲するところは、充分満たしているはずなのだ。
「だから、リンウェル。俺と……」
そこまで口にしたところで、リンウェルは首を振った。「ごめん、やっぱり私は行けない」
「なんで!」
思わず声を大きくする。
「あんな奴ら、どうだっていいだろ! あんな、お前を大事にしない奴……!」
声を荒げたロウの手に、リンウェルの温かい手が触れる。
「大事にはされてなくても、私を助けてくれたことには変わりないから。命を助けてもらった分、相応の恩返しはしないとね」
リンウェルはロウにいつか見せたような笑顔をしてみせた。
「結界が解ければ、何が入り込んでくるかわからない。どこかに移るにしても、そうでなくても、最低限みんなのことは守らないと」
それが私の責任でもあるから。
「なら、俺も残って……!」
「それはダメだよ。見つかっちゃったら、その時点で命の保証はないんだから。安心して。私はまあまあ戦えると思うし、いざとなったら逃げるのも隠れるのもお手の物だから」
何せ私は〈魔法使い〉だからね。リンウェルは得意げに胸を張ってみせた。
「だからほら、早く行って。おじさんたちが戻ってきたら元も子もないよ」
「けど……!」
ロウは歯を食いしばって、拳を握り締めた。そうしてリンウェルが錠を外した戸に手を掛ける。
「それでいいの。これで何もかも、全部元通り」
呟いたリンウェルに、ロウは語気を強めて言った。
「絶対、また会いに来るからな。絶対お前を探し出して、次会ったらその時は……!」
「そう言ってくれるだけでも嬉しいよ。ありがとう、ロウ。楽しかった。元気でね」
背中を軽く押され、ロウはそのまま雪の積もる道を駆け出した。真っすぐに前だけを見て、ただの1度も振り返ることもなく、満天の星空の下を駆けたのだった。
もうどれくらい走っただろう。ひたすら足を動かしながら、ロウはぎりぎりと奥歯を鳴らす。
寒さからじゃない。悔しくて、腹立たしくてならなかった。
今頃になってようやくわかった。俺は、お袋を助けに来なかった親父を恨んでいたんじゃない。いざとなった時、一歩も動けなかった自分に腹を立てていたのだ。
薬がないなら自分で探しに行けばいい。敵が道を阻むなら自分で拳を振るえばいい。
わかっていたのに、怖気づいて結局何もできなかった。お袋を失うのを恐れながら、その実自分の命を惜しんでいたのだ。それを誰かに押し付けて、自分の弱さは見てみぬふりをして、望みは叶えられないままだと駄々をこねていただけだ。
何が自慢の拳だ。鍛錬だ。それ以前の問題じゃないか。こんな貧弱な心では、何をどう鍛えたって意味がない。
今だって同じだ。本当にリンウェルに守りたいのなら、有無を言わさず残ればよかったのだ。一緒に残って戦って、行動で誠意を示せばよかった。あるいは無理やり連れだして、目の届くところにいてもらえばよかった。
それが出来なかったということは、また逃げ出したということ。自分可愛さに尻尾を巻いて、自分だけは難を逃れようとしている。
これでは呆れられても仕方がない。組織の頭の一人息子がこんな体たらくでは、どうにも立つ瀬がないというものだ。親父が自分を国の外に追い出したくなるのも今では頷けた。他の誰かに期待をかけたくなる気持ちも。
でも、と思う。初めて出会った夜、リンウェルに告げた気持ちも、決して嘘ではなかった。
このままではいられない。せっかくの機会を無駄にしたくない。
俺はどうしてカラグリアを出てきたんだ。改めてロウは自分に問いかける。俺はいったい何がしたかったんだ。
俺はどこに向かうべきなんだ。
見上げると、空には星が大勢輝いていた。くっきりと、一粒一粒が明滅するような光。
その中に輝く、一番大きなもの。それをリンウェルは〈道標〉だと言った。
「道に迷った時は、あの星を目印にすればいいんだよ」
鼻の奥が痛い。視界が滲みそうなほどに痛むのは、空気が冷えているからなのだとロウは思おうとした。
つづく