可愛かったのでお尻をいじめてしまう話。穴るセックスです。淫語も少々。
リンウェルは濡れやすい、ような気がする。
気がするというのは、ほかに比較対象がいないからだ。リンウェルは自分にとって初めての彼女で、ほかの女の身体を知らない。
リンウェルもまた自分が初めての彼氏ということで、そういう行為をするのも互いが初めての初めて同士だった。
それでもリンウェルは初めから随分濡らしていた。一番最初に体を重ねた時も濡れなくて困った、ということはなかった。むしろこっちが緊張で手こずってしまい、慌てたほどだ。
回数を重ねた今もその濡れやすさは変わらない。今日だってそうだ。まだキスしかしていないのに、リンウェルのスカートの中は湿度がぐんぐん上がっていく。もちろん昂った体温だとか、こちら側の熱が原因ということも充分考えられる。でも、これは違う。俺は今、跨られた大腿にそれをはっきりと感じている。そこから漂う雌の匂い。自分を惹き付けるそれが段々濃くなっていく。
薄目を開けて覗いた先では、リンウェルがキスに夢中になっていた。髪から漂う甘い香りはごく慣れ親しんだものだったが、その背景となっている部屋の風景には馴染みがない。
それもそのはず、自分たちは今日からニズに来ていた。仕事でも遺跡調査でもなく、ただ純粋に観光のためミハグサールを訪れていたのだった。
提案したのは俺の方だ。休暇が取れたからちょっと出かけないかとリンウェルを誘うと、二つ返事で了承してくれた。だが休暇といっても3日ほどなので街をいくつも回ることはできない。だったらどこかでゆっくり過ごそうかということでヴィスキントからほど近いミハグサールを選んだ。
ニズに着いたのは昼前だった。再興されつつある街は活気にあふれていて人も多い。もともと美しい景色の広がるニズだが、今日は天気にも恵まれてそれが一層際立っていた。
二人で街を歩きつつ、市などを見て回ると、リンウェルが「少し休憩したい」と言い出した。そこまで長い時間歩いたわけではなかったが、それでも朝が早かったのもあって疲れているのかもしれない。
どこかに座るかと訊ねると、リンウェルは首を振った。
「宿に行って少し休みたい」
もしやどこか具合が悪いのかとも心配になったがそうではなかった。リンウェルはただ、人目の付かないところで二人きりになりたかっただけだったのだ。
それからはもう、とんとん拍子で今に至る。指を絡ませられ、おまけに物欲しそうな目で訴えられたら断る道理なんかどこにもない。最近は仕事も忙しかったのもあって、あまり構ってやれていなかった。せっかく旅行に来たとはいえ時間はまだまだある。今日一日くらいベッドの上で過ごしたところで誰も何も損はしないだろう。
髪に右手を差し入れ柔らかい耳に触れると、リンウェルから、はあっと深い吐息が漏れた。舌を絡ませながら外郭を擦り上げてやればぶるりとその背が震える。リンウェルは耳をこうされるのが弱い。
空いた左手で胸の膨らみを揉みしだく。戯れに指で突起を探ってやると、ちょうどその先端を捉えてしまったのか、リンウェルがひと際高い声を上げた。もうその瞳はすっかり蕩けてしまっていて、完全に”その気”であることが見て取れる。一瞬だけ旅行に来たという当初の目的も頭に過ったが、ここで中断して今更外に戻る方がリンウェルには酷だろう。
自分の下半身も徐々に熱を持ち始めていた。重量を増したそれが主張しつつあることにリンウェルも気付いたらしい。
「ロウの、舐めてもいい?」
それを手のひらで撫でながらリンウェルが訊ねてくる。それだってもはや断る理由もないが、こう求められてばかりでは格好というか、示しがつかない。何も相手を想って、欲しているのはリンウェルだけではないのだ。
俺は承諾の意味を込めて腰を浮かしつつ、リンウェルに言った。
「お前も脱げよ」
リンウェルは一瞬目を見開いたが、すぐさまその意味を理解したのか、ほとんど同時に顔を赤くした。そして少々躊躇ったあとで、穿いているものを脱ぎ捨てる。
こちらに下半身を向けて跨るリンウェルのスカートをめくり上げると、それはもう最高峰の絶景が待っていた。白く柔い肌に指を埋めるとほんのり赤みがさす。桃色の秘部からは愛液が今にも溢れ出しそうになっていて、ぬらぬらと輝くそれが窓からの光ではっきりと色づいて見えた。
それがまるでなんだか新鮮な果実のようにも思えて、俺はすぐさま目の前のそれにむしゃぶりついた。じゅ、といやらしい水音が聞こえる。
「ひあっ」
途端に上がった声は甘い。今日も感度は良好らしいと気分も良くなったので、続けて容赦なく秘部を責め立てる。滴る果汁の一滴も残すまいと、音を立ててそれを強く吸い上げた。
「ひ、あんっ、だめ、や、あっ……!」
そんな声を上げつつ、リンウェルの方もなんとか奉仕を続けていた。膝をがくがくと震わせながらも、首をもたげ始めた自身の先端に口を付けているようだ。やがてぬるい粘膜に覆われたそれに思わずうっと呻きそうになったが、こちらも負けてはいられない。舌の動きを激しくしてやれば、とうとう耐えられなくなったのか、リンウェルはついに奉仕そっちのけで嬌声を上げ始めてしまった。
「や……、あっ、だめ……っ、んあっ、ああんっ」
「ほら、お前も頑張ってくれよ」
そんなことを口にはするものの、もちろん本気ではない。なりふり構っていられなくなるほど快感に酔いしれているのなら、それはそれで可愛い。いかんせんこの体勢なので、おそらく蕩け切っているのであろうその表情を拝めないことだけが悔やまれる。
舌を離し指先で秘部に触れると、そこはもうすっかりとろとろに溶けていた。それでいて艶めかしく熱を持つそれは、まだ先端しか挿入っていない指を今にもまるごと飲み込まんとしてくる。果肉のような見た目でいて、逆にこちらを食らおうというのだから油断できない。ひとたびナカに侵入しようものならその粘膜に吸われ、絡めとられ、離してはもらえなくなるだろう。
舌で弄ぶようにそこをつつきつつ、ぷくりと腫れ上がった陰核に手をやるとリンウェルの腰はたちまち大きく揺れた。秘部からは再び蜜が溢れ出し、もはや洪水をおこしかけている。これではいくら吸い上げたって到底追いつかない。
ふと目についたのは熟れた果実の上にあるリンウェルの後孔だった。普段はきゅっとすぼまったそこだが、今日はなんだかひくひくと蠢きながらこちらを誘っているようにも見える。
指に掬った愛液をそこに塗り付けてみる。するとリンウェルは嬌声とは違う、きゃっという声を出した。
「ちょ、ちょっと!」
「どうした?」
「どうした、じゃないよ! そこは違うでしょ、……っ!」
言い終わらないうちにまた後孔をひと撫ですると、リンウェルの腰ががくんと揺れる。
「なんだよ、感じてんのか?」
「ち、ちがうから!」
そこはダメ、イヤ! と主張するリンウェルに従って再び秘部を吸い上げると、リンウェルの声はみるみる艶っぽくなっていった。確かに全然反応が違うな、と思いながら舌で執拗にそこを責めていれば、リンウェルはどうやらすっかり腰が立たなくなってしまったようだった。
そろそろ挿入するかと、リンウェルをベッドに転がして避妊具を着ける。リンウェルの脚を開かせてその間に身を埋めると、途端に全身に強烈な快感が駆け巡った。
「すっげえお前ん中、とろとろ」
見た目に違わず、いやそれ以上の快楽をもたらすそれは何度味わっても慣れなければ飽きることもない。絡みつく愛液と柔い肉壁の感触が避妊具越しにもしっかり伝わってくる。腰を引くたび、押すたびに粘度の高い水音が部屋に響いた。時折強く皮膚を弾けさせてやるのと同時に腹に飛沫がかかる。
それらの反応を見れば一目瞭然ではあるものの、リンウェルもひどく感じていた。手で口を押さえ必死になって声を堪えているのは、まだ昼間だぞと頭に残った正気がそうさせているのだろう。むしろ夜よりも今この時の方が宿にいる人間は少ないというのに。
どろどろになった下半身のことなど気にも留めず、今度はその体をうつぶせにさせた。腰を掴んで持ち上げるとリンウェルは四つん這いの格好になる。後背位はリンウェルの好きな体位だ。
秘部に自身を押しつけると、リンウェルが腰を震わせた。視線こそ届かないものの、こちらの様子を窺うさまは期待しているのだとすぐに分かる。随分やらしくなったなとほくそ笑んでいると、再び視界に入ったのは先ほど触れた後孔だった。行為の最中にあふれた愛液が流れたのだろうか、そこは一層輝きを増していた。周りの肉も随分解れたように見える。
そこで不意に沸き上がった悪戯心に抗えなかった。自身の先端を秘部にあてがい、あたかもそこに挿入するように思わせておいて、すんでのところで後孔へとスライドさせる。
「な、なに、ま、まって、ねえっ」
リンウェルもこちらの挙動に気付いたようだ。咄嗟に逃れようとした腰を引っ掴んで手繰り寄せると、強く腰を押し付けてやる。
「え、あ、や、やだぁ、っ……!」
自身を慎重にそこに押し当てると、先端が肉を割り始めた。くぷ、という小さな音とともに周りの肉がぐぐっと広がっていく。
「ひあ、やだ、やあっ、あ、ああっ――――……!」
リンウェルの背が震え、悲鳴にも似た嬌声が響いた。それらを耳に感じつつ、ゆっくり、それでも強く腰を押し進めると、さらに深くそれは食い込んでいく。やはりキツいが、難所を越えるとあとはあっという間だった。
「は、はいったな……」
どくどくと鼓動が脈打つ。自分も昂っているのだと分かって、それに任せて腰を動かした。はじめは慎重に、徐々にそれを大きくしていく。
リンウェルの細い腰も大きく揺れていた。がくがくと全身を震わせ、声にならない声を漏らしながら何度も首を振る。
「やあ、あっ、や、やだ、そこっ、ち、がうっ――……!」
ちがう、と訴えながらも、その様子はまるであからさまだ。
「……お前、いつもより感じてねえ?」
秘部に手をやればそこは見事なほどに蜜を垂れていた。腕は既に上体を支えられていない。そうして下半身を突き出すような格好になりながらもそれを甘く揺らしているのだから、これはもはや迫られているのではとさえ思えてくる。
「ちがうっ、ちがう、もん……!」
否定はするものの、リンウェルはふいに触れた肌にさえ大きな反応を見せた。どうやらどこもかしこも随分と敏感になっているらしい。
声だってもはや漏れているとは言い難い。必死で枕に顔を押し付けてはいるが、苦しさからかやはり顔を上げて声を出してしまっている。もう昼間だとか宿屋だとかそういうことはすっぽり頭から抜け落ちてしまったようだ。
「やだ、なんでわたし、おしりで……!」
嘆く姿にだって今は欲情する。ちがう、と言いつつ快楽に抗えずに体を揺らしているなんて、それこそ男が夢に見る絶景だ。
「いいじゃねえか。ケツでもマンコでも感じるとか、すっげえ可愛い」
バカバカと罵られたって構わない。かなしいかな、人間だれしも体は正直なのだ。そこに男も女も壁はなく、俺だってこうも強く自身ににゅるにゅると絡みつかれてはその腰を離す気にはなれない。
リンウェルだって同じだ。ちょっと人より気持ちよくなれる部分が多いだけのこと。そうしている姿だって可愛いのだから気に病む必要はなく、むしろ快感を得られる箇所が多いことは誇るべきで喜ぶべきことだと思う。リンウェルだけでなく、俺も嬉しいのだからさらに得だ。
そうしているうち、その時は刻一刻と近づいてきていた。互いにこみ上げるものも、胸に抱えた思いも一緒。ならば今は二人で快感に身を任せてしまわないか。容赦なく腰を揺さぶると、自身を締め付けてくる後孔も段々とその力が強まってきた。後ろから覆いかぶさり、胸の突起をつまんだところで一層それを切に感じる。
「あ、あ、も、だめ、イっちゃう、」
うわごとのようにイく、イく、と呟くリンウェルはもうその制御がきかないらしい。腰を強く押し付けると、びくびくと身体全体が震えた。きゅう、と締まった後孔が自身に襲い掛かる。
食われる、と思ったところでそれを引き抜くと、俺はそのまま秘部の最奥を突いた。その瞬間、達したリンウェルの締め付けにより、また自身も避妊具に精を吐きだした。
「……ロウのバカ」
脱力して隣に倒れ込むなり、そんな言葉が聞こえた。
「なんでお尻に挿入れたの……」
最中は顔が見えなかったので気が付かなかったが、リンウェルは半分泣いていた。潤んだ大きな瞳からは今にも涙が零れそうだ。
「悪かったよ。けどなんかすげえ可愛くて、つい」
「お尻の穴が可愛いって、バカじゃないの」
「いや本当に可愛かったんだって。見たことねえの?」
「あるわけないでしょ! バカ! ロウのバカ!」
枕で顔を叩かれてしまっては何も言い返せない。物理的に。
それでもリンウェルは特に体を痛めたりなどはしていないようだった。若干下半身に違和感があると訴えたものの、次の日には普通にニズ観光を楽しんでいた。
それを見て俺は感心していた。濡れやすいのも、これといった開発なしにお尻で感じられるのも、それはある種の才能がなければ到底叶わないことだ。リンウェルはあらゆる才能に恵まれているが、そういう意味でも抜群のセンスを持ち合わせているらしい。
とはいえ次の機会を狙うのはなかなか難しい。いくらリンウェルが可愛いからといってお尻を責めて、それで泣かせてしまったことについては反省するばかりだ。
できれば次はリンウェルから強請ってくれはしないだろうか。ニズではしゃぐリンウェルの笑顔と下半身を交互に眺めながら、俺はごく真面目な顔をして夢想するのだった。
終わり