心を緩ませたいリンウェルと、それを叶えてくれる人の話。(約7,500字)

マシュマロになりたい

 私は本当に恵まれている。そう実感するのは、図書の間で本を開いた時だ。
 本は世界と世界を繋ぐ扉だと思う。その扉をくぐることによって物事の仕組みだったり歴史だったりを知ることができるし、あるいは空想の物語の中で登場人物と一緒に冒険することもできる。私は本を通じて知らない世界を知り、また味わったことのない喜びや怒り、悲しみをも感じることができる。まるで他人の人生すら垣間見た気持ちになれるのは、本あってこその体験だろう。
 アウテリーナ宮殿の図書の間には古今東西、ダナもレナも関係なく集められた本がずらりと揃っているわけで、つまりは無数の扉が並んでいるも同然。私はその扉を好きな時に好きなだけ選んで入れるのだから、これ以上の贅沢はない。その数と種類の多さときたら、もう何度もここに通っているこの身でもいまだに目移りしてしまうほどだ。
 はじめ、このヴィスキントに暮らすと決めた時、私はわくわくが止まらなかった。図書の間の存在ももちろん、街としての機能もここに暮らす人々の温かさも知っていたから、これからの生活に希望は膨らんで、それはもうはち切れそうなくらいだった。
 その期待を裏切らず、ヴィスキントは私に豊かな毎日を与えてくれている。美味しい食べ物に安心できる住家。迷ってしまう程度には数の揃えられた衣服と、いつまでも没頭していられる趣味。ここまで環境が整えられてしまうと、もういっそ外に出るのが恐ろしくもなる。
 友人もできた。図書の間で出会った同年代の子たちは皆良い子で、〈魔法使い〉である私を特別扱いしなかった。
「私たちは同じ人間で、個性も人それぞれ。料理が得意、裁縫が苦手というのと同じで、リンウェルは星霊術が得意なだけ。それに、仲良くなるのに理由なんか要らないよ。話してて楽しいなら、それだけで充分でしょ」
 彼女たちはそう言って、私をあっさりその輪に加えてくれたのだった。
 彼女たちは真面目で、独自の視点を持っていた。それぞれ興味のあるジャンルは違ったけれど、皆互いの話を聞くのが好きだった。
 私たちは頻繁に集まってはよくおしゃべりをした。最近読んだ本の話や新たに挑戦した料理の話、ちょっとした噂話まで様々な話題を繰り広げた。これらも〈本の扉〉と同じく、自分の視点だけでは得られない知見だ。私はまた自分の世界が広がっていくのを感じた。
 今日も午後から皆で会う予定になっていた。それまで時間を潰そうと、図書の間で本を探している時だった。
「あ、リンウェル」
 声を掛けてきたのは、友人の一人だった。
「偶然だね。今日も読書? 相変わらずの本好きだね」
「まあね。そっちは? 何か探し物?」
「ううん、その逆。借りてた本を返しに来たんだ」
 彼女の手には何冊かの分厚い本があった。古びた表紙だが、どれも人気のある空想物語の小説本だ。
「結構前に借りた本だから、どれがどこの書架か忘れちゃって」
「ああ、それなら向こうの方だよ。それと、そっちは反対側の奥の一番上」
 私が言うと、友人は「ああ、そっか」と言って微笑んだ。
「ありがと、助かっちゃった。まったく、リンウェルはそういうとこ、ほんと真面目だよね」
 じゃあまた午後にね、と言って、友人は示した書架の方に去って行った。
 その背中が見えなくなって辺りから気配が消えると、私はふっと自分の肩から力が抜けていくのを感じた。ピンと張った糸が緩むような、パンパンに膨らんだ風船から空気が抜けていくような、そんな感覚だった。
 私は恵まれている。日々の生活にも何の不満もない。
 けれどたまに、ほんのたまに、張りつめている自分がいることに気付く。
 何かに緊張している自分がいることに気付く。その対象が何なのか、どんな条件でそうなってしまうのかもわからないけれど、ふとした瞬間に体がこわばっているのを感じるのだ。
 それは友人といる時だったり、街で買い物をしている時だったり、あるいは夜にひとりで本を読んでいる時に突然起こる。そしてそのほとんどに私は気が付かず、こわばりが解けて初めて自分が緊張していたことを知るのだった。
 そうなることに心当たりなんかない。だって私は充分満足な生活ができているし、そこに不平も不満も不快もなかった。
 そもそもこの生活はあの旅の後、自分が選んで決めたことだ。この街に詳しいキサラやテュオハリムなどの手助けもあって、私はきっと誰より快適な毎日を送れている。生活費に困ることもなければ明日の食べ物の心配も要らない。寒さに凍える危険性もなければ、飲み水の安全性を憂うこともない。
 むしろ不満なんかあってはいけない。自分でやりたいと思ったことと日々向き合えているのに、それのどこに不満なんか芽生える余地があるのだろう。もし私が心のどこかで今の生活に満足できていないのなら、それは贅沢を通り越してわがまま放題の身の程知らずだ。
 だから、それは気のせいだと言い聞かせた。あるいはちょっと研究に熱を入れすぎて疲れているだけだと。
 私はそれで納得していた。けれどどんなに美味しい食事を摂っても、早めにベッドに入っても、そのこわばりが完全に解けることはなかった。
 
 ロウと再会したのはそんな時だった。宮殿からの帰り道、街で見慣れた後ろ姿を見かけた。
「あれ、もしかしてロウ?」
 声を掛けると、ロウは驚いたような顔をしたあとで、「ちょうどよかった」と笑った。
「これからお前んとこ行こうと思ってたんだ」
「うちに? どうして?」
「今から農場に行くつもりなんだよ。じいさんが昼飯作ってくれるっていうから、お前も一緒にどうかと思ってさ」
 どうやらロウは農場の手伝いを頼まれたらしかった。お礼に食事をご馳走すると言われて飛びついたのだろう。おなかを空かせた様子のロウははやる気持ちを抑えきれないようだった。
 午後は何の予定も入っていなかったので、私はその誘いを二つ返事で了承した。先ほど借りてきた本は夜にでもゆっくり読めばいい。
「メナンシア来るの久々じゃない? 元気してた?」
 道すがら訊ねると、ロウは「まあな」と小さく笑った。
「元気は元気だけど、そのせいかめちゃくちゃに仕事入れられて参ったぜ」
 ロウはここ最近〈紅の鴉〉の仕事であちこちを飛び回っていたらしかった。ガナスハロスやシスロディアはもちろん、ミハグサールまで海路で渡ることになり、今日はニズから陸路でヴィスキントにやってきたのだという。
 そこまで頼りにされるのは、ひとえにロウがかつて世界を旅した経歴があるからだろう。加えてズーグルとの戦闘経験も豊富で各地に知り合いがいるとなれば、護衛に交渉に引っ張りだこだ。もし私が指示を出す立場だったとしても、ロウにあらゆる仕事を振り分けたくなると思う。それはロウの人懐こい性格も後押しとなっているのかもしれない。
「やっといろいろ一段落して休暇もらったとこなんだよ。まあ、早速じいさんの手伝いすることになったけどな」
「そっか。ひとまずお疲れ様だね」
 ロウと会うのは約2か月ぶりだった。私たちにしてはそこそこ間が空いた方だ。
 ロウは旅の後、カラグリアの〈紅の鴉〉に所属して故郷の復興を手伝うと決めたが、それでも時々「仕事のついで」と称しては私に会いに来てくれていた。とはいえ家に来て口にすることといえば「きちんと飯食え」だの「ベッドで寝ろ」だの、まるで保護者のような言葉ばかりで、わざわざそんなことを言うためにメナンシアまで来ているのかと訝しく思うこともあったけれど、その真意にも薄っすら気がついてはいた。たぶんロウは私のことが気になって仕方ないのだ。あの旅を共にした中では唯一の年下で、おまけに知人も少ない地で新たに生活を始めるという私を誰より気にかけてくれているのだろう。キサラも近くにいるとはいえ多忙を極めていることは明白で、ならば定期的にメナンシアに来られる自分がというつもりなのかもしれない。まったく、そこまで心配されるほど私は子供ではないし、実際毎日をごく健康に過ごせているのだから過保護にもほどがある。むしろ油断しがちで隙だらけのロウの方がケガをする可能性が高いだろう。
 一方で、そんなお節介を嬉しく思う自分もいた。誰かに心配されるということはその人の心に自分がいるということ。それが言葉だけでなくこうして行動で示されるということは、それほど相手にとって自分の存在が大きいのかな、なんて思ったりもする。
 問題はその相手がロウであるということだ。ロウは天然だし誰に対しても親切だし、メナンシアにちょくちょく来てくれることだって本当に「仕事のついで」なのかもしれない。しれないけれど――。
 それだけじゃなかったらいいなと思ってしまうのは、どうしてだろう。〈ほかの理由〉があったらいいな、あるんじゃないのかな、なんて都合よく考えてしまう自分は自惚れているようで、どうにも恥ずかしい。
 私がこんなことを考えているなんて、ロウはきっと想像もしていないんだろうな。
 残念なような、ほっとするような気持ちでちらりと盗み見たロウは、呑気かつ間抜けな顔をして大きな欠伸を放っていた。
 農場に着くと、まずはおじいさんの家で腹ごしらえをした。用意してくれたサンドイッチは自家製のハムが入っていて、街で売られているものと遜色ないぐらいに美味しかった。
「坊主、あとは頼んだぞ」
「おう、任せとけって。見違えるほどぴっかぴかに掃除しておくからよ」
 嬢ちゃんもよろしく、と言っておじいさんは去って行った。これから街に行く用事があるとのことで、帰りは夕方になるらしい。
 私たちは一息ついた後で、作業着に着替えて農場へと出た。真っ青な空にはぽっかりと雲が浮かんで、ごく穏やかな日和だった。
 任されたのは、動物たちの世話と小屋の掃除だ。近隣の農場よりも広くはないとはいえ飼われている動物の数はそこそこ多い。用意する餌の量も多く、これを運び出すのだけでもなかなか苦労した。
 何より、動物たちがロウに寄ってたかって構ってほしがるのでその分時間がかかった。ここの動物たちは皆、ロウのことが大好きなのだ。
 ロウの方も満更ではなく、一匹一匹の頭を優しく撫でては声を掛けていた。ロウは誰にでも親切だとはいったけれど、それは種族の垣根さえ軽く飛び越してしまうから驚きだ。でもそんなロウだから動物たちも心から慕っているのだろう。ロウの心根の優しさはきっと動物たちにも伝わっているのだ。
「いいか、小屋の掃除中は邪魔すんなよ」
 ロウがそう言って聞かせると、動物たちはたちまち大人しくなった。あれだけ足元に群がってきていた仔ブウサギたちも今では親ブウサギのそばでもくもくと餌を頬張っている。ここまで来るともはやロウが人間離れして見えてきた。ある意味では魔法使い、いや、もっとそれ以上の使い手なのかもしれない。
 そうして小屋の中を片付けた後で、私たちは休憩がてら農場の一画に腰を下ろした。日射しはまだ弱まっていなかったが、心地よい風が吹き始めていた。
「やっぱり結構重労働だよね。農家さんってすごいなあ」
「純粋な体力でいったら兵士にも負けないかもな。こんなことを毎日繰り返しやってんだからよ」
 二人で脱力しながら農場を眺める。ただそうしているだけで時間がいつもよりもゆっくり流れているような気がした。
「でも懐かしいなあ」
「懐かしい? 何がだよ」
「旅してるときも何度かこうしてここにお手伝いに来てたでしょ? あの時のこと思い出すなあって」
 メナンシアを訪れる、あるいは近くを通りがかるたび、私たちはよくここへと通っていた。もちろん食材の調達という目的もあったが、ここの手伝いをすることで日々の緊張を適度に緩めてもいたのだ。
「あの時はシオンもアルフェンいて、皆で動物たちのお世話してたよね」
「ああ、少しだけのつもりが、結局長居しちまってな。作業着がどろどろになって、キサラにすげえ顔されたっけ」
「そうそう、覚えてる? 私たちが掃除してる間、フルルが暇になっちゃって。ブウサギの背中で昼寝してたら転げ落ちてボールみたいに草むらに転がってって」
「皆して笑ったよな。俺だけすげえ攻撃されたけど」
 ぶちぶちと毟られた髪の毛が農場の風に吹かれて消えていった時のロウの背中のわびしさと言ったら。フルルはそれを見て満足そうに鼻を鳴らし、胸を張っていた。
 そんなフルルも今日はお友達と遊びに行くといって朝から出かけて行った。街をひととおり案内した後で池に魚を取りに行くらしい。フルルもフルルで少しずつ世界を広げているのだ。
 同時に広げつつあるその体躯を見たら、皆もきっと驚くだろう。仔フクロウから立派なダナフクロウへと成長を遂げつつある今、皆の手のひらの上を軽やかに跳ねまわっていたフルルはもう見る影もない。
「……懐かしいなあ」
 そこでふと頭に皆の顔が浮かんできて、再びそんな言葉が零れた。あの頃は確かに毎日が戦いで大変だった。辛いことももちろんたくさんあったけれど、今になって思い出すのは皆と過ごした楽しい日々のことばかりだ。
 戻りたいかと問われるとそんなことは決してない。あんな危ない戦闘ばかりの日々は二度と御免だし、何より世界が危うい状態のままでいいわけがない。シオンだって〈荊〉が解けて、アルフェンにも、私たちにも触れられるようになった。苦難の末に手に入れたものをもう一度失うようなことがあってはならない。
 それでも、少しだけあの日々を恋しく思うことはある。温かいベッドで眠れなくても、ありあわせの材料で作った料理を食べることになっても、皆と居れば辛くなかった。むしろその状況をどこか楽しんでいた節さえある。あるいは今よりも満たされていたかも――。
 いやいや、と心の中でかぶりを振る。どう考えても今の方が安全で安心な暮らしをしているのに、どうしてこんなふうに考えてしまうのだろう。
 私はわがままだ。自分のやりたいことを選んで、それと向き合えているのに。何をまだ足りないと嘆いているのだろう。足りないのは己の立場への自覚と努力じゃないか。
 その時、ふと視線を感じた。隣を向くと、ロウが心配そうな顔をしてこちらを覗き込んでいた。
「お前、なんかあったのか?」
「え……?」
 ぎくりとして、思わず「どうして?」と訊ねてしまう。
「いやなんとなくだけど。しんどそうな顔してっからよ」
「そうかな」
「また研究だのなんだので無理してるんじゃねえのか? お前、夢中になると飯も食わなくなるからな」
 ロウは以前私の部屋を訪れていた時のように、少し呆れた口調で言った。
「勉強熱心なのはいいけどよ、あんまり無茶すんなよな。まずは健康第一だろ。体壊してちゃ何にもできねえし」
「うん」
 ロウの言葉を聞きながら、私はどうにも不思議な気持ちでいっぱいだった。
 私は体を壊しているわけでも疲れているわけでもなかったが、ここ最近は身体の緊張を感じ取っていた。そしてそれがなかなか収まらないことも、悩みの1つだった。
 けれど、それを誰かに相談したことはなかった。友人たちにも誰にも言っていない。それでいて彼らも私の変化に気付くことはなかった。私を心配する声はどこからも聞こえてこなかった。
 それなのにどうしてだろう。ロウにはしっかりお見通しだなんて。表情にも態度にも出していたつもりはなかったのに。
 それともやっぱり、ロウは私のことを人一倍気にかけてくれているのだろうか。
「ロウは、私が体調崩したら心配?」
「? 何言ってんだ。当たり前だろ」
「……そっか」と呟く私に、ロウは訝しげに首を傾げて見せた。変な奴だな、とでも言いたそうな顔で。
 それを見た瞬間、ああやっぱりロウはロウだなと思った。親切で真っすぐで、正直な人。人を勘違いさせるようなことを言って、それでも一緒にいるとなぜか安心してしまう人。どうせロウのことだから、あらゆる人の心配をして声を掛けているのだろうけれど。私だけが特別なわけじゃないのだろうけれど。
「疲れたんならそう言えよ。もう無理する必要なんてどこにもねーんだし」
「うん、ありがとう」
 それでもロウの言葉で心も口元も緩んでしまう自分がいる。心に温かいものが宿るのがわかる。
 ロウは硬いものを壊すのが得意だというけれど、固くなってしまったものを溶かすのも上手だと思う。それはもう太陽みたいに。ぽかぽかとあたたかい熱でじわじわ溶かしていくのが上手だ。
 その証拠に、私の心はすっかり溶けかけていた。これまでカチコチに固まっていた雪玉みたいな心が、ロウの一言でゆっくり溶かされていく。
 ああそうか。私はずっと、これを望んでいたんだ。
 心を緩めたかった。固まった心を、誰かに溶かしてほしかったんだ。そうしてくれたのは、ほかでもないロウだった。
 私の中で、どんどん存在が大きくなっていくロウ。それはもう悔しいほどで、無視できないほど。ロウのくせに、こんなに私の深くまで入り込んでくるなんて。
 私は座る位置をずらすと、そのまま頭をロウの肩へともたれた。
「え、ちょ、ど、どうしたんだよ」
 あからさまに動揺するロウの声など構わない。私は何も言わず、さらにロウの方へと身を寄せた。触れた肌から伝わる熱が心地良い。
「……疲れたのか?」
「まあ、そんな感じ」
 私がそう言うと、ロウは「疲れたなら、仕方ねえな」などと言って、すっかり黙りこくってしまった。どきどきという鼓動は自分のものか、あるいはロウのものか、判断はつかない。
 緊張は緊張でも、心地良い緊張もあるのだとこの時初めて知った。さすがに二度と解けなくていいというのは言い過ぎだけれど、せめてもう少しくらいは感じていてもいいかもしれない。
 私は頭をくっつけたまま、ロウに訊ねた。
「ねえ、ロウ。マシュマロって知ってる?」
「な、なんだよいきなり」
「いいから。知ってる?」
「えーと、あれだろ。白い、なんかふわふわした菓子」
「そうそう。食べたことある? あれ、甘くて美味しいんだよ」私は肩を揺らして笑った。
 それでね、私はマシュマロになりたいの。そんなことを言っても、ロウには何のことかさっぱりわからないだろう。
 でも、今の私の気持ちはそうなのだ。
 ロウの隣で、マシュマロみたいな心でいたい。カチコチの雪玉じゃなくて、白くて柔らかくて、ふわふわの心でいたい。
 それを叶えてくれるのはロウだけなの。ロウだけが、私の心を溶かせるの。
 だからずっと、私のそばにいてほしい。それを伝えられるのはもう少し先のことになりそうだけれど。
 代わりに、私はロウにもたれたまま突き抜けるほどの晴天を見上げた。そこに浮かぶふわふわの真っ白な雲。
 あれは多分、私の心。ロウにすっかり溶かされた、マシュマロになりたい私の心だ。

 終わり